スタバにて。
隣の席で若者二人が議論していた。
大学生らしい二人。
ひとりはアラブ人並みに顔全体がヒゲに覆われた男。
世界放浪から帰ってきたばかりだという。
もう一人は唇の下にちょろっとヒゲをはやした男。
二人はこれからどう生きるか、みたいな話を
パソコンで卒論かなんか書きながら
話をしている。
ちょろヒゲ君は言う。
スティーブ・ジョブスの生き方に憧れると。
孫さんは金のことばかりで嫌だ。
ソニーの社長とかもそう。
でも、エジソンはいい。
発明したあと、それをビジネスにしようとした。
でも失敗しちゃうんだけど…
なんて話している。
一方、すごヒゲ君は、
チンギス・ハーンに憧れる、という。
部下たちの掌握術がすごい。
通信手段の発達していないあの時代に、
世界中に部下を配置して、同時に戦って
領土をひろげていった、それはすごいことだという。
彼はさらに続ける。
競争心って大事だし。
そこで勝っていける自分になりたい。
世界で勝っていく。
それに対して、ちょろヒゲ君は…
僕は競争に興味がない。
みんながハッピーになれればいいじゃん
どうして競争に興味があるのかわからない。
みんながどうハッピーになれるのか、
それがいまいちばん大事。
Facebookとか。すごい。
ああいうことをしたい。
あれは、ほんとうは国がやるようなことを世界展開でやっている。
戸籍だよね。
俺はみんなと恋愛したいんだ。
比喩だけどね。
スタバとかみんなの生活を変えたでしょう。そ
ういうことしたいんだ。
で、ちょろヒゲ君は、すごヒゲくんに言う。
たとえば、
俺がビジネスで成功したら、
俺と競争しようってことになるのか?という。
すごヒゲ君はいう。
もちろん。
俺はやだよ。
俺はおまえがもし成功したとしても
競争心は持たないと思う。
すごヒゲ君は言う。
俺は、まず、親父に勝ちたいと。
彼の父はビジネスをしているらしい。
それをきいて、
ちょろヒゲ君はふと考えていう。
オレ、サラリーマンの息子で、
ハングリー精神がなくて…
それが俺をだめにしているのかなぁって思う時がある。
サラリーマンの息子って、やっぱアントレプレナーにはなれないんじゃないかって思うんだ。
俺は、そんな自分の気持ちに自分でノーって言いたくて
ハングリーになれることを探しているんだぁ…
なんて話をしている。
二人は互いの主張をぶつけつつ、
でも、自分の主張に対する自信と不安が入り交じってる感じだった。
よくわかるよ、君たちのその感じ。
敵を蹴散らし、勝ち残っていくこと。
まずみんなのハッピーのためにやっていくこと、
それがビジネスと結びついたらいいんじゃないか、とか。
自分が大学の頃、そんな議論も発想もなかったよなぁ。
いま、世界を変えることができるのは、政治じゃない。
いま、世界を変えることができるのは、ビジネス、だと思う。
彼らの意見は、そこで一致していた。
もうすぐ彼らは起業をするのか、就職するのか、という選択をするのであろう。
そして社会に出たあとも、その気持ちをずっと
もちつつげてほしいなぁと思った。
僕もどうにしかしてビジネスと世の中にいいことを
つなげられないかなぁと思っている。
日々、流され、汚れてしまった中年サラリーマンではあるのだが。
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